バリアフリーを目的として、引き戸を採用する際におさえておきたいポイントをお伝えします。
①開口幅の広い引き戸にしよう
車いすを使用する場合は、車いすの幅のことを考慮してある程度開口は広くとるようにしましょう。
(車いすの幅は約40~70㎝)
一般的なトイレの開口は柱の芯から測って91㎝が標準の長さとされていて
通常の引き戸を取り付けるとなると”有効開口幅”は約70㎝となって、この幅では車いすの出入りは困難になります。
※有効開口幅‥扉を全開にした状態で通ることのできる幅のこと
車いすでスムーズに出入りするためにも、開口幅の広い引き戸を採用しましょう。
②引き戸は枠と床との段差に注意する
一般的な洋風の引き戸は溝が彫られた鴨居・レールのついた敷居
建枠と引き戸本体によって構成されています。
しかし、敷居と床の取り合いには数ミリの段差があります。
この数ミリの段差でも車いすでの移動の際は負担になってしまい
足の弱っている方にとっては、つまずいてしまう原因になってしまうこともあります。
そのためバリアフリー化をするには引き戸枠と床の段差を解消しなくてはなりません!!
③掃除しやすい引き戸を選ぶ
敷居レールがあるとゴミがレールに入り込み、引き戸の戸車に押しつぶされてこびり付いた汚れになってしまいます。
また、髪の毛が絡まり戸車の動きを悪くしたりなども考えられます。
ゴミを取り除くには引き戸を外して掃除する必要があるため大変です。
大変な作業をしなくてもいいように引き戸を選ぶ際は、掃除のしやすさについても考えて選ぶようにしましょう。
④引き戸ならケガの心配が軽減される
開き戸の場合、ドアを開けた際に家族とぶつかりそうになったという経験をされた方は多いと思います。
他にも子供が開き戸の枠に手を置いてしまい手を挟まれそうになった‥なども挙げられています。
しかし引き戸なら、出合頭に誰かとぶつかるなどのトラブルをなくすことができます!!
”ソフトクローズ機能”が付いた引き戸を選べば、閉まる際に動きがゆっくりになるので
子供が枠に手を置いていたとしても痛い思いをせずに済むでしょう。
⑤引き戸なら風で閉まる心配がなくなる
過ごしやすい季節のときは、窓を開けて外の空気を取り込む方が多いのですが
風が強いと開けていたドアが勢いよく閉まって大きな音でビックリしたことがあるかと思います。
これを防ぐためにドアストッパーが取り付けられているのですが
歳をとるとしゃがむことが負担になって、面倒だと感じることでしょう。
しかし、引き戸なら多少の音がすることがあっても勢いよく閉まることはありません。
⑥障害物にならない
開き戸の場合はドアが内側に開いた状態だと、通る際にぶつかったり車いすが引っかかったりすることがあり
ドア自体が障害物になって通行・歩行の妨げになってしまう可能性があるんです。
しかし引き戸の場合は、開いた戸は壁の中に納まるので
スムーズに通ることも引っかかったりする心配もなくなるでしょう。